ガンの患者学研究所代表の川竹文夫がガンに罹患した90年代、医師に「なぜ私はガンになったのか」と尋ねても、答えてはくれなかったそうです。それから30年ほどが過ぎた今日の日本では、国立がん研究センターのサイトにあるように、ガンの原因は「生活習慣」や「感染」にあると考えられています。
「生活習慣」と聞くと、糖尿病や高血圧症、高脂血症などをイメージしがちですが、ガンという病も、実はその仲間というわけです。
では、もう一つの「感染」はどうでしょうか。肝炎ウイルスやピロリ菌、ヒトパピロマーウイルスなどが発生要因といわれるガンもあります。しかし、感染したとしても、発症しない人はたくさんいます。それはなぜか。
ガンが発症するか否かは、身体のなかの免疫機能が鍵になっているといわれています。
健康な人の身体でも毎日数千個のガン細胞が生まれています。それを免疫細胞が日夜退治してくれているのです。しかし生活習慣が乱れると、免疫細胞が働きにくい環境となってガン細胞がどんどん増殖してしまうのです。
つまり、直接の要因が菌やタバコや放射線や紫外線であったとしても、ガンという病になるかならないかは、患者自身の生活習慣にあるといえるのです。
ガンの患者学研究所で設立当初からお伝えしている「氷山の図」をご覧ください。氷山を1人の患者の、ガンの原因と結果に見立てて示しています。
波線は、海面。水の上にアタマが飛び出している、赤い部分がガン、【結果】です。ある特定の結果が引き起こされるには、それに関係する原因があります。先ほど、ガンは生活習慣病とお伝えしました。それをこの氷山の図にあてはめてみましょう。海面の底に広がる、大きな部分が【原因】にあたります。
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では図に書かれている、ガンの原因「生活習慣」の三大要素を、詳しくみていきましょう。
●ライフスタイルの乱れ
年中無休で仕事をしまくる。昼夜逆転の不規則な毎日。睡眠不足。座りっぱなし。全く身体を動かさないか、逆に酷使しすぎる。自称ショートスリーパー。24時間スマホを手放さない。
●食事の乱れ
毎日肉、魚、パンやパスタの常食。油、砂糖、小麦粉、乳製品の摂り過ぎ。外食やスーパーの惣菜、コンビニ弁当。お菓子大好き。つまり、今どきの日本ではごくごく一般的な、普通の食事。
●心の持ち方の乱れ
心とは「気持ち」、もう少し細かく表現すると「アタマとカラダからの情報の組み合わせによって生じるもの」。
機能不全な家庭環境、仕事の責任、もつれた人間関係、育児や介護、金銭問題、失業、転職、事故や災害、大切な人や物の喪失。人生につきもののこれらの問題も、考え方のクセによってマイナスの感情をうみ、不快ストレスが常態化。
……いかがでしょうか。程度の差こそあれ、全く心当たりのない人は、いないのではないでしょうか。
海面に沈んでいる【原因】がじわじわと大きくなってくると、ひょこっと水の上に【結果】としてのガンが表出する。この構造はご理解いただけたことでしょう。だからこそ、現代の日本ではこんなにも、ガン患者が増えているのです。
病院で行われている標準治療とは、手術、抗ガン剤、放射線治療の三大療法のことです。
【結果】にしか過ぎないガンを、手術で切って取り、放射線で焼き殺し、抗がん剤で毒殺する。病院では、氷山の海面下の【原因】には何も施しません。幸いにして、標準治療が功を奏してガンが消えたとしても【原因】を放っておいたら、どうなるでしょう。
半年、1年、2年、3年……あるいは10年と経つうちに、じわじわとガン細胞は増え、やがて海面に再び姿を見せるのは、珍しいことではない。これが、再発や転移ということです。
現代のガン医療が再発や転移を防ぎきれない理由はここにあるのです。しかしその後も、やることは結局、標準治療です。海面に出てきたら叩くことの繰り返し。再発したら叩く、転移したら叩く。まさに、ガン医療はモグラ叩き。
そしてこのモグラ叩きは「侵襲的」、体を著しく損傷させます。そのダメージは免疫機能も、気力も、低下させていくのです。
ここであらためて、氷山の図をみてみましょう。
今度は、海面の上と下に、【医者の領域】【患者の領域】という言葉が加わりました。
結果である〈ガン〉を、メスや薬で取り除くのは、医者にしかできない役割です。反対に、原因である〈生活習慣〉を整えるのは、実は、患者の役割なのです。
三つの原因である、「ライフスタイル」「食事」「心の持ち方」の乱れを整えていく作業は、患者本人にしかできません。誰も代わりにやってはくれない。
つまり、自ら抱えたガンは、患者本人が治していく。患者は、自分のガンを治せる。その役割は患者にあるということです。
私たちの仲間には、患者の領域である〈生活習慣〉を変えることで、医者の領域にある〈ガン〉自体をも消失させた方々がいます。これまでに50人以上の会員さんが、医者の治療ではなくガンの「自助退縮」を実現しています。